導入事例

【医療×教育×VR】“経験”するから動画よりも効果アップ|帝京大学 医学部 導入事例

経験するから動画よりも効果アップ~帝京大学医学部導入事例~

医療の現場では、限られた時間と資源の中で、いかに効率よくスキルを身につけるかが常に課題です。コロナ禍における物資不足や感染リスクの高まりに対応するため、帝京大学医学部様と株式会社アルファコードが共同開発したVR研修プログラムが新たな成果を挙げています。本記事では、このプログラムがどのように新しい「経験」の価値を提供したかを見ていきます。

サマリー

・概要: 医療従事者向け個人防護具(PPE)の着脱方法を学ぶVR研修を導入。
・導入前の課題: コロナ禍で物資不足や感染リスクのため実地訓練が困難で感染リスクが高まる懸念。
・導入後の効果:VR研修が対面式訓練と同等、ビデオ研修よりも20%高い熟達度を確認。

VR導入前の課題

コロナ禍において、PPE(個人防護具)の供給が限られる中で、実地訓練を円滑に行うことが難しい状況に直面していました。また、医療従事者が安全に防護具の着脱方法を習得するためには、従来の対面式訓練やビデオ教材以上に、効果的で反復的な学習が可能な方法が求められていました。この状況を変えるには、まったく新しい手段が必要でした。

VRが提供する新しい”経験”

帝京大学医学部と株式会社アルファコードが共同で開発したマルチアングルVR教材は、PPE着脱法を学ぶための新しいアプローチを提案しています。この教材は、医療現場の課題を解決するため、特に以下の特長を持っています。

マルチアングルで学べる没入感の高いVR

  • 主観視点: 自分自身が防護具を着脱する感覚を体験。
  • 前面視点: 足元や姿勢を含む全体像を把握。
  • 後方視点: 背後の手の動きなど、自分では見えない動作を確認可能。

これにより、誤った着脱方法を体験しながらそのリスクを認識し、正しい方法を繰り返し学べます。限られた資材を浪費せずに、何度でも繰り返し学べる。そんな新しい研修の形として注目を集めています。

帝京大学医学部のVR研修1
帝京大学医学部のVR研修2
帝京大学医学部のVR研修3

▲防護服着脱の様子を間近に見ることができる。

世界レベルの実証結果

2024年2月15日、この研修成果をまとめた学術論文が、世界トップレベルの医学論文雑誌「JAMA Network Open」に掲載されました。この研究では、VR研修が以下を実証しました。

  • 対面式研修と同等の効果: PPE着脱スキルの向上が確認。
  • ビデオ研修より20%優れた学習効果: 没入感とリアルな仮想環境がスキル習得を促進。
  • 資源節約のメリット: 実物を使用せず何度でも練習可能。

この研究結果は、対面式の研修と同等の成果を示しつつも、リスクのない環境で何度でも繰り返し訓練ができるという点で、特に医療分野においては画期的な研修手法であることが証明されています。

特筆すべきは、ビデオ研修に比べて、VRを使った没入感のある学習環境が提供されることで、より深い”経験”を得られるという点です。この”経験”により、従業員や学習者がより積極的に参加し、習得したスキルが現場で即座に活用できるようになります。

また、マルチアングルVR配信プラットフォーム「Blinky(ブリンキー)」を活用することで、多様な角度から技術を学習でき、各自の学習進度に応じた柔軟な”経験”の提供が可能となっています。「Blinky」はPCやスマートフォンからアクセス可能で、本格的なVR ヘッドマウントディスプレイにも対応。これにより、場所を選ばず学習できる柔軟性と没入感を提供します。例えば、主観視点で自分が防護具を着脱する感覚を学び、前面視点や後方視点では、他者の動作を確認することで、細かな動作まで把握できるようになります。

マルチアングルVR配信プラットフォーム「Blinky(ブリンキー)」についてはこちら→【詳しく見る

VR技術がもたらす未来の”経験”

VR技術の進化により、AIとの連携で個別化されたトレーニング環境が可能になり、医療現場における学習効率をさらに高めることが期待されています。現場で必要とされるスキルを、安全に、そして実感をもって身につけられる。そんな研修のあり方に、XRは確かな可能性を示しています。

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