導入事例

安全に火を使う体験で高い学習効果～東邦ガス・金城学院大学共同開発の「火の学びVR」～

日常生活で「火」を安全に使うスキルは、子どもたちにとって重要な学びの一環です。しかし、実際の火を扱うことはリスクを伴い、教育現場での実践が難しいという課題がありました。こうした状況を解決するため、株式会社アルファコードと東邦ガス株式会社様が共同で開発したVR教材「火の学びVR」は、子どもたちが楽しみながら火の扱い方を安全に学べる革新的なソリューションです。

サマリー

・VR技術を活用し、子どもたちが安全に楽しく火の正しい扱い方を学べる教育コンテンツ
・実証実験で、従来の学習法よりも知識・スキルの定着効果が統計的に有意に高い
・インタラクティブ性とゲーム性を兼ね備え、主体的な学びを促進する新しい教育の形

「火の学びVR」の概要

概要: ガスコンロを使った調理における火の正しい扱いを学べるVRコンテンツ
導入前課題: 従来の映像や座学では、火の取り扱いに関する知識・スキルの定着が不十分だった。
導入後の効果: VR体験により、学習者の火の扱いに関する知識・スキルの定着が向上し、主体的な学びが促進された。実証実験で統計的に有意な成果が確認された。

従来の学習法では難しかった火の取り扱い教育

従来、火の扱い方を学ぶ機会は、家庭や学校での座学や映像を用いた説明が中心でしたが、実際に火を使う機会が少ないため、知識としては理解できても、いざという時に適切に対処できるスキルが十分に習得されていないという課題がありました。また、子どもたちにとっては静的な学習方法では飽きやすく、主体的に学ぼうという意欲が引き出しにくい面もありました。

VRによる体験型学習が生み出す「火の学び」の新しい価値

「火の学びVR」は、VR技術を活用して、ガスコンロを使った調理の手順を仮想空間内で体験しながら学ぶことができる教材です。このコンテンツでは、実空間とVR空間が連動しており、子どもたちはVR空間で指示に従いながら、実際にコンロや調理器具を操作し、調理を進めていきます。この体験を通じて、座学やビデオ学習では得られなかった実際の操作感覚や火の扱いに対する感覚が養われ、学習効果が飛躍的に向上します。

さらに、調理を終えると、ゲームのように判定結果が表示され、どこが良かったか、どこを改善するべきかがフィードバックされます。このようなインタラクティブな学びの場を提供することで、子どもたちは自分で考え、判断しながら進める主体的な学習が可能になり、より深く学ぶことができます。

実証実験に基づく成果：教育効果の向上

東邦ガスと金城学院大学が共同で行った実証実験では、この「火の学びVR」を体験した子どもたちのグループは、従来の学習法を行ったグループに比べて、火の扱いに関する知識とスキルの定着が統計的に有意に高いという結果が確認されました。これは、VRを通じた実体験が、子どもたちの学習意欲を高め、知識の定着に寄与することを裏付ける成果です。インタラクティブな学びの場を提供することで、子どもたちは自分で考え、判断しながら進める主体的な学習が可能になり、より深く学ぶことができます。

スコアシートの一例　　印刷すると全6ステップの評価がコメントと共に記載されます

これからの教育に活用されるVR技術の可能性

「火の学びVR」は、ただの技術的な進歩にとどまらず、学習者の主体性を引き出す教育の新しい形として、今後さまざまな分野での応用が期待されています。特に、インタラクティブな体験型学習は、学習者が自分の行動を振り返りながら、実際に体を動かして学ぶことで、知識とスキルをより深く習得できる点が大きな特徴です。今後、VR技術を用いた教育コンテンツはさらに進化し、家庭や学校など様々な教育現場での導入が進むでしょう。

参考記事：「アルファコード、VRでガスを使った調理が学べる体験型の教育教材「火の学びVR」を制作」